2013年07月10日
海の森が消える!
またまたテレビの話題ですが、
NHKで毎週日曜夜11:30から放送している「サイエンスゼロ」という番組があり
録画して見ております。
このあいだこのなかで、海の森、つまり岩礁海底の海藻がつくる豊かな生態系が
急速に失われている、というお話がありました。
海藻が群生する場所を「藻場」といい、その役割としておおまかにいっても
生物の隠れ場、産卵場所となること
水質悪化の原因となる窒素やリンを吸収し、光合成を行うことで水質の浄化、
酸素の供給を行なっていること
水生生物のえさになること
など海の環境にとても大きな役割をはたしているということです。
さてこの藻場がなぜ急速に失われているのか、ということですがもちろんいろいろな要素があるわけですが
大きなものとして海水温の上昇ということが挙げられています。
なんでもここ数十年の温暖化の影響で、海水温が平均約一度ほど上がっているそうです。
そんなもんなの?という感じもしますが、これだけで海藻類の成長速度が鈍化してしまうということです。
そうしたところにウニなど海藻をえさにする生物の食害が悪循環で爆発的に増え、
ついには藻場が消滅するにいたってしまうということでした。
このようなことを「磯やけ」といいますが、古くから問題となっていたそうで原因は様々ということです。
うちも北海道利尻産の出汁こんぶを使っておりますが、採れないということで
去年大幅に値上げがありました。
困ったな、と軽く考えておりましたが、この藻場の減少ということは漁獲量の減少にもつながり、
また直接海の環境悪化にもなるということで、たいへん深刻なことだということが理解できました。
最近も猛暑が続き、気候変動という地球の大きな変化にはいかんともしがたいものがありますが、
水産資源を利用させていただいている身としては
よく勉強しなければいけないなと思ったしだいでありました。
ちなみにこの番組に出演している南沢さんという女優さんが、
構成上いつも一人驚いたリアクションをしなければ
ならない立場にあり、気の毒になってしまうのが難点です。
Posted by 吉良屋 at
18:37
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